本みりんを知ろう

本みりんの歴史

(1)本みりんの起源
本みりんの起源には諸説ありますが、代表的な説は、次のとおりです。
①中国伝来説
中国清明の時代の「湖雅巻八造醸」には、蜜淋(ミイリン)と呼ばれている甘い酒があったという記述があります。このお酒が戦国時代の頃、琉球、九州地方に伝来し、「蜜淋」、「美淋」といった漢字があてら れ、そして、現在のみりんになったというのが中国伝来説です。みりんは異国より渡来したものという記述は、1649年(慶安二年)の「貞徳文集」にあります。
②日本誕生説
日本誕生説は、1466年(文正元年)の「蔭凉軒日録」に、練酒(ネリザケ)という甘い酒が博多にあったいう記述があります。これらのお酒は腐敗しやすかったので、腐敗防止策として焼酎が加えられました。その後改善されて、現在のみりんになったといわれています。「駒井日記」文禄2年(1593年)には、「三位法印様密淋酎御酒御進上・・・」とあり、「みりん」が文献に登場した最初であります。

(2)本みりんの変遷

本みりんとは

本みりんは、酒類調味料です。
調味料としても使用される酒類は、清酒、本みりん、ワイン等がありますが、 本みりんは、日本の代表的な酒類調味料です。

みりんの定義(酒税法第3条第11号)

米・米こうじに焼酎又はアルコール、(その他政令に定める物品)を加えてこしたもので、アルコール分が15度未満で、エキス分が40度以上のもの。
※政令で定める物品は、ぶどう糖、水あめなどです。

本みりんの造り方

本みりんは、一般的には米(もち米、うるち米)、米こうじ(うるち米)に焼酎又はアルコール、(その他政令に定める物品)を原料として仕込み、40日~60日間に掛けて糖化・熟成させて濾したものです。
この仕込み期間中、米こうじを利用して、もち米のでんぷんやタンパク質が分解され、各種の糖類、アミノ酸、有機酸、香気成分などが生成されて、本みりん特有の風味が形成されます。

本みりんの成分
本みりんとみりん類似調味料

本みりんに類似した調味料として、「みりん風調味料」と「発酵調味料」ありますが、製法や成分が異なっています。本みりんとみりん類似調味料との相違点は下図のとおりです。

区分本みりんみりん類似調味料
みりん風調味料アルコール発酵調味料
原料・製法 米(もち)、米こうじ、焼酎
(醸造アルコール)、
糖類などを糖化、熟成
糖類、米、米こうじ、調味料、
酸味料などを混合
米、米こうじ、果実、砂糖類、
アルコール、食塩などを
発酵、混合
アルコール分約14%1%未満10%前後
塩分無塩無塩2%
酒税法上の注意酒類非酒類非酒類
本みりんの調理効果

本みりんの代表的な調理効果は、次の7点挙げられます。

参考文献 酒類総合研究所(情報誌、お酒のはなし)・みりん研究会(本みりんについて)

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